どんな本?
やりたいと思っているけど、つい後回しにしていることはありませんか?ほとんどの人はあると思います。僕もあります笑
本書では、なぜやりたい、やらなければと思っていることを後回しにするのか、どうすればそれを防げるのかを心理学を用いて説明します。
ちはみに著者は前回書評を書いた「だれもわかってくれない」と同じハイディグラント・ハルバーソン教授です。
本書では
自制心の仕組みを理解すれば、それに応じた対処ができるようになる
と言います。
なかなか目標を達成できない、というかたはぜひ読んでください!
では、早速内容を見ていきましょう。
「なぜ」を考えるとやる気が出る
本書では、
「なぜ」という視点で捉えると、日々の小さな行動にも、意義を感じやすくなります。理由が明確になることで、小さな行動が、大きな目標を達成するための一歩に変わるのです。
と言います。
いちいち「なぜ」という問いかけをするのは面倒くさいと思いますけど、やってみるとその効果が実感できます。
勉強や読書、仕事をしていて、モチベーションが下がったときには、「なぜこれをやっているんだっけ?」と自分に問いかけてみましょう。
無意識の力は意識の力より何百倍も大きい
本書では、意識がポストイットのメモほどの情報しか扱えないとすると、無意識はNASAのスーパーコンピューター並みに大量の情報を処理できると言います。
それだけ無意識の力は強いんですね。
通常何かを繰り返し行うと次第に無意識的にコントロールできるようになります。
例えば、車の運転というのは初心者からすれば意識の力でやっていると感じますが、熟練者になるとほぼ無意識の力でやっているということが分かっています。会社から家までの道のりをほとんど覚えていない、というのはこの無意識の力によって起こる現象なんですね。
獲得型と防御型
目標へのフォーカス(焦点)は「獲得型」と「防御型」に分けられます。
獲得型のフォーカスでは、手に入れたいもの達成したい事に注目します。
防御型のフォーカスでは、守るべきものしなければならないことに注目します。
獲得型の人はリスクを好み、防御型の人は警戒を好みます。
僕はどちらかと言うと防御型寄りなのかな、と思いますね。リスクはとりたくないですし、やらなければならないことは、しっかりやりたいタイプです。
どちらが良いと言う訳ではなく、状況や目標のタイプによって、アプローチを変えていくとうまくいきます。
例えばこんな例があります。
被験者に数学の問題を解かせて、その途中で映画の予告編や創造性コマーシャルを流して集中力を妨げた実験があります。
防御型のフォーカスを持つ被験者は、獲得型の人より良い結果を出しました。
さらに驚くべきことに、集中を妨げられた防御型の被験者は、集中を妨げられなかった防御型の被験者よりも良い結果を出したです。防御型は誘惑や障害物の存在に気づくと警戒心を高めます。それがモチベーションの増加にもつながるのです。
もちろん獲得型にもメリットはあります。詳しくは本書の中で!
さいごに
ハイディグラント・ハルバーソンさんの本は今までいくつか読んだのですが、今回もめちゃくちゃ面白かったです!特に獲得型と防御型のところはためになりましたね。
内容や文章が丁寧でわかりやすく、心理学に触れたことがない人でもさらっと読めると思います。
では、また明日!
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