マルチタスクは幻想だ!『SINGLE TASK 一点集中術』

書評

今日も書評です。

マルチタスクをばっさり切る本なので、マルチタスク信者には刺激が強いかもしれません。

はじめに

今日はデボラ・ザック著『SINGLE TASK 一点集中術』という本をご紹介します。

本書は簡単に言えば、

マルチタスクやめろ!

ってことを説く本ですね。

どういう仕事の仕方がマルチタスクに入るかというと、例えばパソコンを開きながらスマホをチェックしたり、人と話してる途中でもスマホを見たりとかですね。

本書では基本的に人間はマルチタスクができない動物であると言います。マルチタスクができると言う人は、タスクの切り替えを頻繁に行なっているだけだと批判し、シングルタスカーになれば仕事の効率が劇的に上がると主張しています。

僕は本書を読む前からシングルタスクをするように心がけてはいたのですが、本書を読んでまだまだだなぁと反省しました。

日頃なかなか1つのことに集中できないと感じていたり、スマホを頻繁にいじってしまう方にはぜひおすすめしたい一冊です。

もっともタスクを変えない人が、もっとも能率が高い

まずは、説得力のある研究をご紹介します。

ハーバード大学の研究によると、「あたふたとせわしなく働いている社員たちは1日に500回も注意を向けるタスクを変えるが、もっとも能率の高い社員たちは注意を向けるタスクを変える回数がむしろ少ない」という。

つまり、タスクからタスクへと注意を向ける先を切り替える頻度の高さは、生産性の低さと相関関係があるというのだ。

研究にも裏付けられているので、かなり信頼度は高めですね。

主観ですが、実生活でも一つのことに集中できない人は能力が低かったり、ミスが多かったりするイメージがあります。

僕自身シングルタスクを心がけてからは効率も上がりましたし、知識の定着率も高くなりました。

研究でも裏付けられてるわけだな

同時にできるタスクもある?

ここで注意したいのが、同時にできるタスクもあるという点です。

それってマルチタスクできるってことじゃないの?

と思いがちですが、実は違います。

ミシガン大学のデヴィッド・マイヤー博士によると、

「たいがい、脳は複雑な2つのタスクを同時に処理することができない。ただ、その2つのタスクが脳の同じ部位を使わない場合は例外となる」

らしいのです。

例えば、簡単で機械的な仕事や車の運転をしながら会話したり、考え事をしたりはできるというわけです。

しかし、頭を使う仕事をしながら会話したり、スマホをいじったりはできないというわけですね。まあこの辺は感覚的にも分かると思います。

「空白の時間に考えていること」を意識する

仕事と仕事の切り替えのときや、休憩しているときなど、過去のことを思い描いてくよくよしてしまうことはありませんか?

僕はあります。それも結構な頻度で。人生に後悔はつきものですが、意味のない後悔というのは何も生みません。本書では、

過去についてくよくよと考えるのも不安な将来を思い描くのも、無益なだけでなく、怠惰にすぎない。

と言っています。厳しい言葉ですが、僕の胸にはかなり刺さりました。もう刺さりすぎて痛いです。

もちろん反省は必要だとは思いますが、意味のない後悔は怠惰にすぎないと肝に命じておきましょう。

意味のない後悔は怠惰だ

メモすることで集中が可能になる

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1つの作業に集中しているときに、アイデアややらなければいけない作業を思いついて、集中が途切れるということがありますよね。

それを防ぐために、本書では「パーキングロット」を用意しておくのがいいと述べています。

「パーキングロット」とは、メモ帳やスマホのメモ機能など、何かを思いついたときにすぐにメモできる場所のことです。

本書では、作業を一時中断し、メモを取るくらいならシングルタスクの集中力が弱まることはないと述べています。

作業の前にはメモ帳を横に置いておくだけなのでぜひ試してみてください。

僕自身、何か作業をするときだけでなく、常に思いついたことはとりあえずメモをするというクセをつけています。このクセによって、色んなアイデアが出るようになりますし、目の前のことに集中できるようになりました。

メモには他にも色々メリットあるのでおすすめ!

脳を「マインドフルネス」の状態にする

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「マインドフルネス」という言葉は聞いたことがある方が多いと思います。簡単に言えば、一つのことに集中している状態のことです。

シングルタスクを身に付けるためには、いつでもマインドフルネスの状態に持っていく必要があるわけですが、その訓練として定番なのが瞑想ですね。

今回は瞑想ではなく、「ゼンタングル」を取り入れた方法を紹介します。

「ゼンタングル」についてはググっていただければ分かりやすいです。簡単に言えば、基本的なパターンを繰り返し描いていくアートです。

このゼンタングルを描くという作業をしていると、マインドフルネスの状態になり、リラックス効果や瞑想効果が得られるらしいです。

今度やってみよ!

あとは映画館に行くっていうのも一つのことに集中できるのでいいらしいです。

スマホいじったり人と話したりできないからでしょうね。

最近は映画館でもスマホいじるやつがいるらしいけどな。。

食事も会話もつねに1つに集中する

食事をしながらNetflixやYouTubeを見たり、会話をしながらスマホをいじるという人は最近かなり多いと思います。

しかし、本書ではこのような行為を徹底的に批判しています。

食生活や健康の専門家は、食事のあいだは食べることに意識を集中させれば満足度が高くなると述べている。よく噛むだけでなく、噛むあいだに間を置けば、カロリー摂取を抑えることもできる。「シングルタスク・イーティング」で減量も可能になるのだ!

だれかと一緒にいるときに、ソーシャルメディアでほかの人と交流していると、目の前ているの相手に「あなたのことなど、どうでもいいと思っている」というメッセージを無言のうちに送ることになる。

ドキッとした方は多いのではないでしょうか。

僕もその1人です笑

人といるときはできるだけスマホをいじったり、テーブルの上にスマホを置いたりしないようにしてます。ある研究では、スマホを目に見えるところに置いておくだけで、相手との会話に集中できなくなるという結果が出てるぐらいですから。

話してる途中でスマホいじられるとむかつくってことだ

しかし、どうしても1人で食事をするときはYouTubeを見ながら食事をしてしまうんですよね。直そうとも思ったのですが、長年の悪癖はなかなか直らないものです。。

難しいとは思いますが、食事や会話に集中することを心がけてみましょう。

1つに専念することで幸福度が高まる

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シングルタスクのメリットとして、幸福度が高まるということも紹介されています。

2010年、ハーバード大学の研究者たちは成人の被験者2250人の機嫌のよさや、いまの作業にどのくらい集中しているかなどを、ランダムな間隔を置いて評価した。

すると、仕事に熱心に取り組んでいる人ほど、幸福を実感していることがわかった。同様に、すぐに気が散ってしまう人ほど幸福を感じる度合いが低いことも判明した。

これは分かる気もしますね。

僕もマインドフルネスを意識するようになってからは、ひとつひとつの事に意味を見出すことができるようになりました。その結果メンタルが安定しましたし、幸福を感じることが多くなりました。

シングルタスクは幸せを生む!

さいごに

本書を読み、シングルタスクは現代においてとても重要なスキルである思いました。しかしながら、これだけ情報や娯楽が溢れている中で1つのことに集中するというのは思った以上に難しいです。

僕自身まだまだシングルタスカーには程遠いです。意識していないと、いつの間にかマルチタスクをしていたなんてことがしょっちゅうです(ご飯食べながらYouTubeとか)。

そんなときにはこの本を読み直して、

シングルタスカーになるぞ!

という思いを強めていこうと思います。

ということで、今日はこれで終わりです!また明日!

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