塩レモンです。
現代は、テレビやインターネットにより、様々な情報が洪水のように私たちの元に流れてきます。
そんな情報の洪水を正しく精査し、自分の役に立てるにはどうすればいいのか?その答えがこの本にはあります。
どんな本?
冒頭でも述べた通り、現代は情報社会です。
多くの情報を正しく精査するために必要な能力がクリティカルシンキング(日本語では批判的思考と訳される)です。
この能力は一言では説明しづらいのですが、簡単に言えば情報を鵜呑みにせず、色々な側面からその情報を見る能力とでも言いましょうか。
この能力を身につければ、フェイクニュースや詐欺、占いや超能力などに騙されることも少なくなるでしょう。さらには、データや確率を利用し、ビジネスや実生活にも応用できるようになるでしょう。
本書は2部構成となっており、今回は入門編を紹介していきます。
因果関係
では早速紹介していきますが、流石に全部は紹介しきれないので、個人的に
面白い!使える!
と思った部分を切り取って解説していきます。しっかりとクリティカルシンキングを学びたい方はぜひ本書をご購入ください。
1つ目に紹介するのが因果関係です。
私達は日常生活の中で因果関係を使って原因を推測することが多々あります。例えば、体重が増えたら、
食べすぎたかな、それとも運動してないからかな
といった感じです。
因果関係で原因の推測をすると問題を解決できる場合が多いので、かなり便利な手法ではあります。
しかし、この因果関係を用いる際に気をつけなければならないことが3つあると本書では言います。
その3つとは、共変関係、時間的順序、他の原因の3つです。
3つについて簡単に説明します。
共変関係
データを扱うときによく相関という言葉が出てきます。あるデータの値が上がるまたは下がると、それに呼応するようにあるデータが上がるまたは下がるときに、2つのデータが相関しているというのです。
例えば、ブログの投稿頻度が上がるにつれてPV数が上がるとすると、投稿頻度とPV数には相関があると言うことができます。
相関している2つのデータがあると、その2つに因果関係を考えてしまいがちなのです。
そこで気をつけたいのが2つには共変関係しかない可能性があるということです。
どういうこと?
という方のために、こんな例があります。
アイスクリームの販売総量と犯罪発生率には相関関係があります。しかし、アイスクリームが売れるからと言って、犯罪発生率が上がるとは考えにくいですよね。
このように相関関係があるからと言って、因果関係になるとは言えない場合があるのです。
時間的順序関係
2つ目の時間的順序関係とはもしXがYの原因ならばXがYより先に起こっていなければならない、という基準です。
例えば、A君がB君のことを殴ったあとにB君が泣いたら、B君が泣いた原因はA君が殴ったことだと分かります。一見、
当たり前のことじゃん
と思いがちですが、もっと複雑な場面ではどうでしょうか。
例えば、「体罰は子供を攻撃的な性格にする」という仮説を唱える人がいたとします。その人は、
体罰を受けた子供はそうでない子供に比べて、攻撃的な性格であるというデータがある!
と主張しています。
しかし、この仮説には問題があります。データからは、体罰を受けたから子供が攻撃的になったのか、それとも攻撃的な子供は体罰を受けることが多いのか分からないからです。
このように時間的順序関係が曖昧な場合にも気をつける必要があるのです。
他の原因
これは他の2つよりも難しいのですが、合理的な第三変数を排除しなければならないという基準があります。
どういうことか先程のアイスクリームの例で説明します。
アイスクリームの売上と犯罪発生率は因果関係ではないのはなんとなく分かりますが、絶対的に因果関係になっていないと言い切るのは難しい。そこで考えるべきなのが第三変数です。
この2つに関連してそうなのは気温です。気温が上がるほどアイスクリームの売上は上がりますし、熱いと不快指数が上がり、犯罪が発生しやすくなります。このように気温という第三変数を考えることによって、2つには因果関係はないということを説明することができました。
これら3つの基準を使うことで、因果関係を使いこなすことができるのです。
長くなりそうなので、後編に続きます。続きが気になる方はぜひ後編を御覧ください!
コメント