塩レモンです。
今まで出した本がすべてベストセラーになっている、かの有名なアダム・グラント先生の本を書評しました。
誰にとってもためになる内容なので、激しくおすすめします。
どんな本?
今回はアダム・グラント著『THINK AGAIN』を紹介します。
著者のアダム・グラントさんはペンシルバニア大学の教授で心理学者です。これまでに2冊の本を出しておりこの2冊がまあ面白い。興味がある方はこちらもぜひ。
そして、最近新刊が出たので早速読みました。
この本は一言で言えば再考の重要性を説く本です。
再考とかめんどくせえ~
と思う方も多いかもしれません。実際僕も本書を読む前は、皆さんと同じ気持ちでした。
しかし、本書を読んでから再考こそが人生をより良くするの1つの方法だと気づきました。
3つの思考モードに気をつけろ!
グラントは誰もが牧師、検察官、政治家という3つの思考モードを持っていると言います。
牧師モードでは、人は自分の信念を形成し、それを確固たるものにしようと説教します。
検察官モードでは、他者の思考や主張の矛盾を指摘し、間違いを明らかにするための論拠を述べます。
政治家モードでは、自分の考えに対する他者の支持を獲得しようとキャンペーンを行います。
この3つの思考モードの悪い点は、自分の意見を考え直すという機会が無くなってしまうことです。
どうでしょうか。皆さんにも当てはまる経験があるのではないでしょうか。
僕の場合は、検察官モードで相手の意見を否定したときがこれまで何回もあったので、反省しました。
ここで当然
じゃあこの思考モードを回避するにはどうすればいいの?
という疑問が湧きますよね。著者は、
科学者の思考モードを使え!
と言います。
科学者の思考モードとは、簡単に言えば自分の知識を疑い、仮説を立て検証するという科学者的な視点を持つことです。
本書で紹介されているある研究によると、科学的な思考を持った新興企業はそうでない企業に比べて2倍以上の速さで収益を上げ、より早く顧客を獲得しました。
なかなかブログのPV数が伸びないのが僕の悩みですが、科学者の思考が欠けていたからかも…?
他人の先入観や偏見は変えられるか?
皆さんも1回は他者と意見が合わずぶつかってしまったことがあると思います。
基本的に他者の意見や価値観を変えるのはかなり難しいです。
(それに、相手の価値観を変える労力とその効果が見合ってない場合が多いため、基本的には他人の価値観を変えようとするのは時間の無駄になる場合が多いと個人的には思います。)
それでも相手に再考を促したいときはどうすればいいのでしょうか?
これには万能の方法はないのですが、本書で紹介されている方法を1つ紹介します。
それは、敵意が理不尽であると気づかせるという方法です。
ある実験では、ヤンキースとレッドソックスのファン(この2チームはとても仲が悪い)それぞれに敵意が理不尽であることを認識してもらうと、相手に敵意を向ける人が減りました。
相手の偏見をどうしても変えたいときは使ってみよう!
YouTubeを見るだけでは学べない理由
皆さんはYouTubeを見ますか?
全く見ません!
という方は、今の時代おじいちゃんかおばあちゃんくらいでしょう(偏見)。
最近ではYouTubeでも教育系の動画が増えていますよね。中田敦彦さんのチャンネルや、本を要約するチャンネルなど、YouTubeで勉強できる時代になりつつあります。
しかし、
YouTubeや講義を聞くだけでは学ぶ効果は薄い!アクティブ・ラーニングをしよう!
と著者は言います。ちなみにアクティブ・ラーニングとは能動的な学習のことで、例として、問題集を解いたり、人に勉強を教えたりするなどがあります。
あるメタ分析(複数の研究を評価する論文)で、講義形式とアクティブ・ラーニング、生徒の習熟度が上がるのはどちらの授業方法か調べたものがあります。
結果は、アクティブ・ラーニングの授業方法の方がハーフレターグレード分(ABCD評価で半評価分。AとAマイナスの差など)生徒の成績が良くなりました。
しかし、ここで注意が必要なのが、生徒たちにより好まれ、良い評価を受けるのは講義形式の授業であるという点です。
考えてみれば、YouTubeなどで話が面白い人がする講義は面白くて勉強になった気がしてしまいますが、内容についてはすぐ忘れてしまいがちです。
そこで、僕のおすすめはYouTubeはあくまでとっかかりと考えて、本格的に勉強したい場合はアクティブ・ラーニングをするというものです。
こうすれば、YouTubeでモチベーションを高められますし、大体の内容が把握できた上で、効果が高い勉強に移れます。
ぜひやってみてください!
最後に
まとめの感想として、
アダム・グラント先生は流石だな。
と思いました。これまでの2冊もかなり面白かったのですが、本書も学ぶことが多く良書でした。
今回は僕が印象に残ったところを中心に紹介しましたが、まだまだ面白い知識やストーリー、研究の数々が濃密に凝縮されています。
少しページ数は多いですが、気になった方はぜひ買ってみてください!
それではまた次回!
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